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コラム
2001 Vol. 4 PDF 版


景気動向はそれ自身海上荷動量を左右しますので海運市況に影響します。日本は大量の原料輸入、大量の製品輸出している丈に日本の経済景気動向は世界の海運人にとって無視出来ません。昨今の世界的な株価下落は日本が起因しているとか云われています。株式市場は景気のバロメーターで日本が誹られるのは残念至極。

日本独特の言葉で "先送り" というのがあります。どの企業も戦後インフレ動向の中で問題を "先送り" すれば将来何とか解決するという判断がありました。昨今、日本政府が "緩やかデフレ" を承認しており、これら "先送り" は将来解決する目途はますます否定的にならざるを得ません。デフレは戦後初めての経験です。即ち、戦後、右肩上がり (インフレ) がバブル後初めて右肩下がりになって対応策・知恵もなくウロタエているのが現状でしょうか? 大型のリストラ (合併、分社、精算等) は昨年で殆んど完了したと思っておりましたが、21世紀に入っても即ち今年もリストラは継続しそうで気が滅入ります。

堺屋太一氏は何故経済企画庁を止めたのでしょうか? 在任中、彼の口調では除々に回復基調にあるニュアンスで好感ありましたが、彼が不在になった途端可笑しくなってしまいました。現在、彼は「全てがインフレ前提とした経済措置」と評価しております。

IT 産業はインターネットや携帯電話で代表されるように急激な成長を観ました。しかし円熟からやや過多による弊害がでている気配があります。米国では IT 産業一画が破綻している事実があります。終点のない産業でしょうが、どこかで落ち着いて円熟の中で緩やか成長期に入って欲しいものです。上述の境屋太一氏は為替は130円が自然と発言しております。それにしても日本の政治も困ったものです。経済の検討根幹は政治も多いに関与します。与党も与党なら、野党も野党、何やら家族を放ったらかして夫婦喧嘩しているが如し、強いリーダーシップが無いと家庭崩壊します。

ドライ市況のバロメーターである大型 (Cape) が足元軟弱です。製鉄社もいつものこと乍ら短期的意見しか述べませんが今年の見通しについては必ずしも楽観視していません。中・小型船も大型船に影響しています。新造船ベースでの足元 Hire は大雑把平均、

Cape $16/17,000/d
Panamax $10,000/d
Handymax $8,000/d
Handy Small $7,000/d

タンカー、ガスは絶好調。

何かと3月末決算の企業が多いが上記のごとき現状を反映させ、又、4月よりどの様な方針を発表するのか ... 。今年の4月より少なくとも海運造船市況は上向き傾向が観られることを期待します。

ヘルムート ヴァイス (Helmut Weiss) というウィーン国立歌劇場管弦楽団の首席ヴィオラ奏者が我々の「人形町」を「人情町」と称している小文下記、弊社の仲介業もかかる感性で皆様と対応したいものです。


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