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コラム
2018 Vol. 4 PDF 版


海運マーケットは「鳴かず飛ばず」で推移しています。地政学的には世の中混沌としています。特に米中の「貿易戦争」が気がかりです。我々海運業界にとっては貿易障壁を少なくし、自由貿易が望ましいと思います。海運市況は米国の中間選挙、或いは年末までは現状で推移すると思われますが、来年は予測できません。いろいろな「集まり」で、又、「ツイッター」でAMERICA FIRSTを唱える人の発言は世界の政治、経済に影響を及ぼす故、見過ごすわけにもいきません。為替、金融(金利)にまで影響しそうで不安です。。

世界には安全保障、経済発展のため、いろいろ「集まり」があって、各国、主義主張が異なっていて、かかる「集まり」を友好裡に積み重ねて、それなりの成果もあったと思われます。WTO、G7、G20、RCEP、ASEAN、ASEAN plus 3、TPP、OPEC、APEC、EPA、NAFTA、東方経済フォーラム等がそれらです。かかる集まりの進行と結果はメディアが逐一報告するので耳目を傾けましょう。世界の物流、特に海上輸送量、輸送動向を観るのに参考になります。まさしく地政学(GEOPOLITICAL)なのです。皆が共存共栄し経済発展すれば、海運市況も安定するのです。

「集まり」と云えば、日本国内の海運造船業界にも多くの「集まり」があります。
日本船主協会、日本海運集会所、日本船舶輸出組合、船員組合、日本造船工業会、日本中小型造船工業会、日本内航海運組合総連合会、全日本内航船主海運組合、日本舶用工業会、日本シップブローカーズ協会 等々。其々、立派な主旨と目的を持って活動されておりますが、よりダイナミックに活動されることを期待します。例えば、船舶運航の自動化をテーマに培った経験と新たな知恵を出し合って早期実現して欲しいものです。個々の「集まり」単独でなく、又、大手船会社単独でなく、海運会社、造船所、舶用機器メーカー、それに国土交通省(運輸局)、船級協会、損保会社も含めて世界に先駆けて実現して貰いたいものです。国交省海事局が自動運航船については2025年までの実現に向けた実証事業に着手すると発表していますが、上記の「集まり」が一体となり総力を挙げてもっと早く実現して欲しいものです。過去の常識がマンネリ化しているなら、これを打破しなければなりません。自動車の自動運転化は間もなく実現するでしょう。自動車が空を飛ぶかもしれません。航空機はずっと前から2/3人で運航しているのです。

日経(8月30日)の社説で珍しく「船舶燃料規制」を記事にしています。対策を実効している船会社、造船所もおりますがバルカーにおけるパナマックス以下のサイズはMGO炊きで定着して行くのではないでしょうか?

野田 著


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