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コラム
2016 Vol. 6 PDF 版



10月末、何ら前触れもなくコンテナ船3社連合のニュースが流れました。漢進海運破綻(8月)が後押ししたのでしょう。業界ではビッグニュースでした。

11月は、アメリカでの大統領選トランプさんが勝利して世界中が驚いています。メディアの予測に影響を受けたわけではありませんが、選挙運動中のトランプさんの言動から彼が大統領になったら「驚きます」と云いました…、この結果には本当に驚きました。コンテナ連合のニュースなども吹っ飛びました。トランプショックは今後の世界の政治経済の行く末に影響がありそうです。「風が吹けば桶屋が儲かる」ではありませんが、海運市況にも影響が及ぶのでしょうか?今まで、我々はメディアにミスリードされた感があります。大袈裟かもしれませんが、世の中は新しい時代に移行しつつあるのでしょうか?今後大統領就任までのトランプさんの一挙一動を注視したいものです。

トランプさんがTPPから撤退表明していることは残念です。自由貿易は海上荷動きのカンフル注射で必ず海運業に貢献します。日本としてはアメリカ抜きのTPP構築をしてその上でアメリカと対応していくのか、RCEPに傾注するのか…。これも今後の成り行きを観るのみです。
トランプショックで投機筋もアタフタしてます。円が急落したことは、影ながらほくそえんでいます。金利はちょっと位上がっても良しとしましょう。

海運市況は些か上向き傾向にありますが、未だ投資対効果までには及びません。基本的には船腹過剰なんでしょう。世界の景気が良くなれば船腹過剰は一気に解消するのです。トランプさんも大統領就任前とは言え施政表明を始めています。超大国のアメリカとトランプ大統領が失速しないようお願いし、今後を見守っていきましょう。メディアには事実の報道だけをシッカリ遂行して頂きましょう、解説は社説のみで結構です。海運市場にどのような影響があるかは我々海運業クラスターで判断しましょう。

10月に中国(主に浙江省)に行きました。上海経由で帰国しましたが、街中は活気づいているように見受けました。杭州では街中が電動自転車で溢れていました。免許無しで運転できます。音なしで結構スピードを出して走っています。事故も多発しているとのことです。杭州の街はそれでも大気汚染で視界が悪い。中国は今、国を挙げてEV(電気自動車)産業の育成に力を入れているそうです。船もややクリーンエネルギー志向ではありますが、将来、燃料油を使用しない電動船なんて出てくるかもしれません。否、自動運転が先か?

野田 著

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