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コラム
2016 Vol. 5 PDF 版



朝夕はやや涼しく感じられます。ゴルフ場では赤とんぼが飛び回っています。先月、海事に永く携わった方々に同伴しましたが、その同伴者が135ヤードでエースを達成しました。チョイと飛躍しますが、海運市況も上昇する予感がします。

リオ.オリンピックは終わりました。開催前には、施設建設が間に合わない、資金不足、警備の人手が足りない、やれジカ熱等とメディアは揶揄しましたが、立派にやり遂げました。大成功です。特にブラジルがサッカーで金メダルを獲ったことは同慶の至り。パラリンピックも成功するでしょう。大統領の弾刻裁判も終わりました。ブラジルは巨大な資源国ですから海事クラスターにとって目を離せない市場です。オリンピックの成功を機にブラジル政治経済の発展を期待します。政治、紛争、格差、宗教等を超越し一同に会して競技することは民間外交の極致なのです。そして経済外交、政治外交への礎になるのです。チョイと飛躍しますが、海運市況回復へと繋がっていくのです。

イチローには頭が下がります。「野球殿堂入りより、明日の試合に出たい」と云いました。彼が帽子を脱いだら頭髪がゴマジオだったのが印象的でした。多くの海事クラスターは不況下で脇を締めて頑張っているのです。ゴマジオどころか、殆ど白髪です。今日の海運市況より、明日の市況に期待します。

韓進海運が破綻しました。韓国財閥系大企業の脆弱さを垣間見ます。この事件が不況の象徴であれば、これ以上のどん底は無いでしょう。早晩市況は回復を始めるのではないでしょうか?

昨今の為替市場では円高基調が気になります。100円を切りますとドキッとします。イエレン米連邦準備理事会議長が「利上げの条件が整ってきた」等と発言したら早速市場が反応し円安方向に動きました。投機筋は先を見込んで足元で動くものです。本当に利上げしたら「折り込み済み」となるのでしょう。株式市場は景気の指標です。日経平均15000円以上なら良し。そして金利は低金利のままで良し。株と金利については何ら心配しません。

中国の杭州は、12−13世紀の南宋時代に首都が置かれ、今は世界文化遺産の「西湖」が街のシンボルです。今月初め、此処でG20が開催されました。「世界経済成長加速のため金融や財政、構造改革の政策を総動員する」が共同声明のキーワードだったと思います。即効性に乏しいが、先進国、新興国首脳が一堂に会し共通認識をもって各国それぞれが前向きな政策を発展させて欲しいものです。中国は全人代、党大会等で、ゾンビ企業(鉄鋼/造船)の縮小、整備を掲げていたが、如実な進展を観ません。

世界の荷動きは減少していません。一方で現状においては船腹量は2〜3割過剰と云うのが通説の様です。かかる時期には、投機筋(ファンド系)が新造船発注することがありますが、中古船ベースでの投機に留めて頂きたい。以前、雨後のタケノコのように拡張した中国の造船所は調整時期にあります。日本も合併/協業など専業造船所主導へと調整中。韓国は火の車で何らかの調整が必要でしょう。オペレーターも苦戦中です。世界経済が改善すれば、物流が増え船腹過剰は解消されます。

英国のEU離脱が確定するまで2年以上かかるそうです。何故そんなに時間がかかるのでしょうか?あまりモタモタするとEU内でドミノ現象が出てくるかもしれません。英国は歴史的に政経とも熟成した国家で離脱しても余り心配ありません。EUは大きな経済圏です。日本は別途英国とFTAを推進すれば良いのです。TPPもそうですが関税障壁を無くせば海上輸送量は増えるのです。オバマさん在任中に批准するのは無理か?最近「保護主義(POPULISM)」の台頭を観ますが、矢張り「GLOBALIZATION」が肝要で、より海運市況に資するのです。アメリカ大統領選挙でトランプさんが勝ったらびっくりします。
閑話休題、「ティーピーピー、私の財布はピーピーピー」

東京オリンピックも成功するでしょう。しかし海運市況改善に4年は待てません。ありえません。

野田 著

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