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コラム
2016 Vol. 2 PDF 版



2月末、上海G20は閉幕しました。議長国の中国が「構造改革」を通じて経済成長力を高めること、又、従来の投資主導から消費主導へと転換する方針等を提案しました。3月初めの全人代では、(先に発表のあった「第13次5カ年計画」(2016−20年)の施政方針では、確か、経済成長率7%を達成するとの発表がありましたが、)「6.5%以上」にやや下方修正されました。中国も自国の現状を認識しており、何とかしなければならないと云う意識が汲み取れます。今次の全人代における施政方針は、一方的にせよ強制力があり当然のことながら実行されることになりましょう。6.5%以上なら上等です。今後の成り行きを観ましょう。海運市況に即刻好影響を及ぼす発表はありませんでしたが、ゾンビ産業の一角をなす造船業が苦境に面しているなら、これ以上新しい造船所建設は許可せず整理統合を指導して欲しいものです。経済面に限らず中国国内には解決すべき問題が山積しておるものの、矢張、まずは中国経済の安定した成長/発展が海運市況改善のために必要です。
次の着目は、5月のG7 (伊勢志摩サミット)です。

アメリカ大統領選挙はお祭り騒ぎの様相を呈しておりますが、決着するまで、今年一杯かかります。TPPの議会承認はオバマさんの任期内で取り付けて欲しいものです。日本もモタツイテいますが、国会承認が急がれます。全ての関係国における議会承認を得て実効となれば必ず海上輸送量は増えます。
EUも、加盟国間で格差があるのか、如実な伸びを観ません。
足元の海運市況を「浮かす」きっかけを、暑くなる夏までには観たいと切望します。

日本の造船産業は、よりスピードをもって構造改革/転換を図らなければなりません。大手の兼業造船所が、専業造船所と国内で競合しているのは醜いものです。中国建造船は未だ品質は劣るものの、値段では勝てません。経験工学であるだけに、何れは日本同等の船を造るのでしょう。海外進出は結構ですが、その際には、日本にある造船所は閉鎖する方向で配慮すべきでしょう。矢張り、造船は専業造船所に任せるべき時代に移行しているのです。必ずしも妥当ではありませんが日本の自動車産業と比較すれば、自動車産業は、ソフト面でもハード面でも、実にグローバルに活動しているのを実感します。日経(2016.1.27)作成の提携関係図を観る一方で日本の造船業界に想いを馳せて下さい。
自動車の自動運転が実現しようとしています。研究/試走は結構ですが、そこまで必要なのでしょうか?あらゆる不測の事象に対応はできるのでしょうか?本当に事故が減るのでしょうか?携帯電話、スマホ、カーナビ等も進化しましたが、至便性にも限度があると思われます。船舶も自動運航が理論的にも、技術的にも可能なのでしょうが、その実現に向かって躍起になっているとは思えません。それで良いのです。

野田 著


2016年2月の成約

船名 タイプ Sub サイズ 建造年 建造国 US$
(Mil)
Spar OrionBulk47,600 Dwt1996Japan2.10
MarveletteBulk45,621 Dwt1998Japan2.05
Slove TraditionBulk46,200 Dwt1998Japan3.20
Michael SBulk50,200 Dwt2001Japan2.70
Bianco BulkerBulk52,200 Dwt2001Philippiness3.30
Triple StarBulk52,454 Dwt2005Japan5.70
Tensei MaruBulk52,454 Dwt2007Japan6.30
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
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平野 光男 / 野田 禎造

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