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コラム
2016 Vol. 1 PDF 版



申年、今までの穏便な年明けに比べ、やや緊張した年明けでした。円高、株価の乱高下、原油暴落、サウジアラビア/イラン関係悪化、テロ等...これらの事象は海運市況にも直接、間接に影響するものなのです。海運はかくもGLOBALでかかる世界のGEOPOLITICAL PHENOMENAには無関心ではいられません。世界の政治、経済の安定を一極では制御出来ません。先進国、新興国、後進国が地域的にブロックを組み、又、各ブロックが会議して、終点がないにせよ理想に向かう努力をするべきで、又、最近かかる努力をしていると観ています。政治、経済ともアメリカ主導の時代は終焉しました。かといって、中国でも、ロシア、EUでもありません。従来の態勢はREBALANCEしているのです。かかる世界の中で海運、造船は、そして、それらの関連業種は生き抜かねばなりません。世界各国のコンセンサスを得て世界経済が好転すれば海上荷動きはより活発となり、余剰船舶問題は瞬くうちに解消します。統計的に申し上げるのではなく、過去の経緯と直感で申し上げているのです。

日本は政経とも比較的に安定してるのではないでしょうか? 株価の乱高下と言っても直近で日経平均10,000円以下の時代もありました。円高に振れたと言っても100円以下であったのはそれほど昔の話でもありません。低金利は長年定着しています。ジタバタすることはありません。海運に関しては貨物と船腹の需給バランスは注視しておきたいものです。バルカーは造りすぎたのでしょうか? これは景気が回復すれば直ぐ解消します。コンテナーはメガ級が多数建造され市況を崩しているのでしょうか? これも世界の景気が回復すれば問題ないと想います。タンカーは足元好調ですが、安穏としておられるでしょうか?

戦後日本の海運は、政府の臨時措置により支援を受けた経緯があります。原料を 安く運び、製品を安く、安全に運び出し、日本の産業に貢献してきた歴史があります。現在、内航を除けば究極の政府援助はありません。外航はさほどにGLOBALになりましたし、個々の経営努力を発揮しているのです。今更、政府の介入、援助を要請するものではありませんが、海運、造船、関連業種の票田も意識して、その時々の環境、事情だけは密着して把握して欲しいものです。

中国主導のAIIB、習近平の中東歴訪等、国際外交面で中国の顕著な動きが目立ちます。しかし、中国経済の低迷、政権の不安定、過剰設備の制御、高水準の不動産在庫、金融市場の混乱、民族問題、環境問題等、問題山積の様子です。今や世界に影響を与える経済大国だけに、海運市況にも大きく影響が及びます。矢張り、今年も中国の動静は引き続き注視しなければなりません。

上述ブロックの集まりでは、かなりの成果も出ております。近未来には「浮きつ」の時が必ず来ます。足元はぬかるんでいますが、足を取られないように、皆様におきましては、より一層のご活躍を祈念致します。

野田 著


2016年1月の成約

船名 タイプ Sub サイズ 建造年 建造国 US$
(Mil)
Joost SchulteBulk45,874 Dwt1997Japan2.20
Stove TransportBulk46,223 Dwt1998Japan3.40
CelesteBulk46,667 Dwt1999Japan3.80
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
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平野 光男 / 野田 禎造

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