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コラム
2015 Vol. 8 PDF 版



海難事故がある度、HARDWARE であれ、SOFTWAREであれ、船舶の安全運航に係る規制が厳しくなります。それを反映してその分、船価が高くなれば船主経済を圧迫します。傭船者がそれ相応分を用船料でmake upしてくれるとは限りません。あまりエスカレートすると健全なサプライチェーンが壊れてしまいます。以前、JG CLASSの貨客船をIACS CLASS(BV)に改造して海外売船したことがありました。SOLASに規定される或る安全規制については海難事故で多くの犠牲者が出るたびに、長年に亘って改訂されており、その内容は長い枝番で付記されていました。最後の枝番においてはコスト面で世界のフェリー事業が成り立たない程のコスト増となり規制が枝番一つ逆戻りしているのを発見。人命の安全、環境汚染防止は重要なテーマではありますが、それに関わるコストUPが事業として成り立たないレベルになるのであれば、やはりリスクを負わなければなりません。近年、この種規制が頻繁に発令され、内容も大型になってきています。各国で批准されておりますが、現場に落としても“LEGALLY VALID, BUT COMMERCIALLY INVALID”にならないよう接点を事前に配慮しなければなりません。

さて、海運市況ですが、タンカーは好調、ドライは低迷のまま年を越すことになります。琴平でも参拝してドライの好転を祈願しましょうか?今年は、COP21とかTPPとかG20とか、先進国、新興国、後進国が集い有意義な会議を多く観ました。締結したものもあり、目下、交渉中のものもあります。要するに、多くの国が集まり仲良く、前向きに歩いているような印象を受けます。日本はEUとも自由貿易協定(TPPのEU版)の為交渉中でもあります。世界的に関税が緩和、撤廃され、何かしら世界の物流がより盛んになるような気配を感じます。個々の海運業、造船業においては或る程度の縮小、あるいは合併等はあっても明るい近未来に期待しつつ、これらの動きを観察しておく必要があります。

積もった塵、埃を一掃して、良いお年をお迎え下さい。

野田 著


2015年12月の成約

船名 タイプ Sub サイズ 建造年 建造国 US$
(Mil)
Pacific DolphinBulk49,047 Dwt1996Japan3.50
Pacific PrimateBulk49,061 Dwt1997Japan3.75
Pacific ScorpioBulk49,061 Dwt1997Japan3.75
Furness KarumbaBulk52,551 Dwt2001Japan3.90
Santa FeBulk53,553 Dwt2001Japan3.30
KaravadosBulk50,992 Dwt2002Japan5.50
Westem SingaporeBulk52,400 Dwt2003Philippines5.00
Global LegacyBulk52,200 Dwt2006Japan7.10
Sapphire SeasBulk53,702 Dwt2006China5.20
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
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平野 光男 / 野田 禎造

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