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2014 Vol. 5 PDF 版
残暑お見舞い申し上げます。
異論も御座いましょうが、特に夏枯れもなく海運市況は平々凡々と推移しているのではないでしょうか? 内では物価上昇率 2% 達成に向かって一進一退、外では安倍首相が信じがたいほどの頻度で動き回ってそれなりの成果を上げているようです。最近のロシアと欧米の対立をはじめ、中東などでの紛糾など、海運、荷動きなどに影響あるか? 注目しておく必要があります。
LNG 関連事業がますます脚光を浴びてきました。米国シェールガス開発がこれに拍車をかけた感があります。日本向け LNG 導入が始まったのは確か1970年代初めでした。当時は米国ジェネラルダイナミック社建造の LNG 船で輸入して今いましたが、並行して本邦での建造に移行し、三菱重工、川崎重工等が技術の研鑽を重ねてこられました。同時に、NYK 、MOSK 、KLINE が LNG 船の保有と運行を担当し、輸入元である電力、ガス会社との受け入れ施設を含めた密度ある打ち合わせを重ねる中で現在に至るまでさしたる事故もなく年年歳歳、輸入量も増えてきています。
2014年には370隻の LNG 船が運行され、2020年には500隻、2025年には600隻前後になろうというのが一般的な予想です。LGN 船の場合「老齢船」というのは30歳超で、2025年までに30歳を迎えるのは72隻。すでにギリシャ船主などファンド系が発注した LNG 船の竣工が始まっています。しかし新規 NGN プロジェクトでは既存船を使うことなく、新規新造船手当を志向しているようです。LNG 船の用船市場はあるようですが、ファンドを背景とした TRAMPING LNG 船は市場から退場して貰いたいものです。
長期用船付既存船、老齢船、プロジェクトに張り付かないフリー船に比して今後出てくる LNG カーゴ、即ち、SUPPLY (船腹) と DEMAND (荷物) のバランスを暫く観察してみたいものです。
LNG 船は船会社にとって戦略的な船だけに、個人船主が保有してオペレーターに長期 TC アウトするような商機は足元ではないでしょう。その時代の金融市況により BB アウト、又は、一流船舶管理会社に外注ベースでの TC アウトは考えられますが、高価格の特殊船が故、究極の船主リスクが大き過ぎます。
ロシア北部のヤマル LNG プロジェクト (300万トン/Y) では北極海航路を前提に砕氷 LNG 船3隻が韓国に発注されたと報道されています。もし本邦にも輸入されるなら、やはり本邦で建造してもらいたいものです。本邦造船所が先行した船種であり追従を許さないノウハウを蓄積したのに、今は韓国に折檻されているのが現状です。大手造船所がより生き残るためにもコスト面でも韓国に太刀打ちできる船価を構築してほしいものです。
北米シェールガスに関してはキャメロンプロジェクト (800万トン) 、フリーポートプロジェクト (440万トン) 、コープポイントプロジェクト (230万トン) がエネルギー省から対日輸出の許可を受け、2017/18年から輸入開始するとか。2020年までに北米シェールガスを運ぶ LNG 船は90隻が発注されるとか。それらの建造費は2兆円とか。これらの船は願わくば日本の大手造船所が共同してでも全て受注してほしい。ちなみに川重坂出工場及び南通中遠川崎船工程底公司で2019年まで年3隻以上の建造体制にあるという。いずれにせよ年内には全て決着するでしょう。
他方、巨額投資資金調達、低温カーゴによるハイスペック及び高度なオペレーションが故の船員不足、フリー船の台頭による競合、輸出停止リスク (リボケーション) 、過去重大事故が発生していないが故、逆に事故が起きたときの対処、影響が見えないなど、課題は山積しています。
異論も御座いましょうが、特に夏枯れもなく海運市況は平々凡々と推移しているのではないでしょうか? 内では物価上昇率 2% 達成に向かって一進一退、外では安倍首相が信じがたいほどの頻度で動き回ってそれなりの成果を上げているようです。最近のロシアと欧米の対立をはじめ、中東などでの紛糾など、海運、荷動きなどに影響あるか? 注目しておく必要があります。
LNG 関連事業がますます脚光を浴びてきました。米国シェールガス開発がこれに拍車をかけた感があります。日本向け LNG 導入が始まったのは確か1970年代初めでした。当時は米国ジェネラルダイナミック社建造の LNG 船で輸入して今いましたが、並行して本邦での建造に移行し、三菱重工、川崎重工等が技術の研鑽を重ねてこられました。同時に、NYK 、MOSK 、KLINE が LNG 船の保有と運行を担当し、輸入元である電力、ガス会社との受け入れ施設を含めた密度ある打ち合わせを重ねる中で現在に至るまでさしたる事故もなく年年歳歳、輸入量も増えてきています。
2014年には370隻の LNG 船が運行され、2020年には500隻、2025年には600隻前後になろうというのが一般的な予想です。LGN 船の場合「老齢船」というのは30歳超で、2025年までに30歳を迎えるのは72隻。すでにギリシャ船主などファンド系が発注した LNG 船の竣工が始まっています。しかし新規 NGN プロジェクトでは既存船を使うことなく、新規新造船手当を志向しているようです。LNG 船の用船市場はあるようですが、ファンドを背景とした TRAMPING LNG 船は市場から退場して貰いたいものです。
長期用船付既存船、老齢船、プロジェクトに張り付かないフリー船に比して今後出てくる LNG カーゴ、即ち、SUPPLY (船腹) と DEMAND (荷物) のバランスを暫く観察してみたいものです。
LNG 船は船会社にとって戦略的な船だけに、個人船主が保有してオペレーターに長期 TC アウトするような商機は足元ではないでしょう。その時代の金融市況により BB アウト、又は、一流船舶管理会社に外注ベースでの TC アウトは考えられますが、高価格の特殊船が故、究極の船主リスクが大き過ぎます。
ロシア北部のヤマル LNG プロジェクト (300万トン/Y) では北極海航路を前提に砕氷 LNG 船3隻が韓国に発注されたと報道されています。もし本邦にも輸入されるなら、やはり本邦で建造してもらいたいものです。本邦造船所が先行した船種であり追従を許さないノウハウを蓄積したのに、今は韓国に折檻されているのが現状です。大手造船所がより生き残るためにもコスト面でも韓国に太刀打ちできる船価を構築してほしいものです。
北米シェールガスに関してはキャメロンプロジェクト (800万トン) 、フリーポートプロジェクト (440万トン) 、コープポイントプロジェクト (230万トン) がエネルギー省から対日輸出の許可を受け、2017/18年から輸入開始するとか。2020年までに北米シェールガスを運ぶ LNG 船は90隻が発注されるとか。それらの建造費は2兆円とか。これらの船は願わくば日本の大手造船所が共同してでも全て受注してほしい。ちなみに川重坂出工場及び南通中遠川崎船工程底公司で2019年まで年3隻以上の建造体制にあるという。いずれにせよ年内には全て決着するでしょう。
他方、巨額投資資金調達、低温カーゴによるハイスペック及び高度なオペレーションが故の船員不足、フリー船の台頭による競合、輸出停止リスク (リボケーション) 、過去重大事故が発生していないが故、逆に事故が起きたときの対処、影響が見えないなど、課題は山積しています。
野田 禎造 著
2014年6月の成約
2014年7月の成約
2014年8月の成約
船名 | タイプ | Sub | サイズ | 建造年 | 建造国 | US$ (Mil) |
---|---|---|---|---|---|---|
CB Adventure | Bulk | 46,232 Dwt | 2002 | Korea | 13.00 | |
Western Singapore | Bulk | 52,239 Dwt | 2003 | Japan | 17.50 | |
Saiko Majesty | Bulk | 50,790 Dwt | 2009 | Korea | 21.50 | |
Star Lygra | Bulk | 50,700 Dwt | 2013 | Korea | 49.00 |
2014年7月の成約
船名 | タイプ | Sub | サイズ | 建造年 | 建造国 | US$ (Mil) |
---|---|---|---|---|---|---|
Sanko Mineral | Bulk | 50,757 Dwt | 2008 | Japan | 17.20 |
2014年8月の成約
船名 | タイプ | Sub | サイズ | 建造年 | 建造国 | US$ (Mil) |
---|---|---|---|---|---|---|
Mimosa Dream | Bulk | 48,309 Dwt | 1997 | Japan | 5.00 | |
Ocean Queen | Bulk | 53,734 Dwt | 2011 | Vietnam | 16.00 | |
Good Trade | Bulk | 53,732 Dwt | 2012 | India | 18.20 |
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
このレポートに関するお問合わせは下記まで:
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極東海運実業株式会社
〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町1-1-11 日庄ビル5階
Tel: (03) 3664 8111
Fax: (03) 3664 8233
Email: mail@fest.co.jp
野田 禎造
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野田 禎造
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