6月上旬、上海万博に行きました。平日で35万人、週末で50万人、殆どが中国人で2日間バスに乗って、とんでもない遠方から多数の人が見学に来ており、大そうな賑わいでした。これが9月まで続くのでしょう。中国が未だ堅調である実感を受けます。中国の経済成長率が高位で推移しているのは、海運にとってフォローの風です。心配なのは、インフレ (特に不動産高騰) と、都市と農村の格差でしょうか。万博の後の「目玉」商品がありませんが、今年も中国には注目です。

インドは、社会インフラ投資に重要配分しています。鉄鋼、電力、港湾などの投資計画が目白押しで、これらは物流を増加させるでしょう。特に石炭ですが、川崎汽船がウマクやってるように見受けます。

ロシア経済は良く判りませんが、原油価格次第でしょうか?

ブラジルは2014年サッカーWカップ、2016年オリンピックと先に目玉商品があります。政治が些か不安定ですが、将来に目標があり、今後、より物流が増えるでしょう。今回のWカップでも、あのマラドーナの姿をテレビでよく観かけますが、優勝でもすれば政治も経済も勢いづくでしょう。

物流が無いのに「金」が世界を飛び回るのは困ったものです。この点、G8 、G20 では世界経済は予想以上に回復としているが、金融市場の変動により重大な課題を再認識し、経済成長とバランスのとれた財政再建のとりくみを促した - とあります。ギリシャなどがそれであるが、主要国が集まって健全な財政政策を促すのは結構なことです。因みに、新興国が世界経済を牽引している時代に、G8 の存在価値が薄らいでおり、G20 の集まりだけでいいのではないでしょうか? 世の中は、さほどにグローバル化しているのです。

日本の貿易でアジアの比重が一段と高まっています。日本の貿易額 (輸入・輸出の合計) は前年度から 4.7 ポイント上昇し、50.2% となった。5割をこえるのは初めて。中国などアジア経済が早く持ち直したのが背景です。近海船業界にとって悪い話ではありません。日本の景気は需要動向の上向きによる生産の回復にリストラ効果も加わって企業業績は製造業を中心に改善している。経営者心理も好転し投資意欲も徐々に持ち直しています。第一中央汽船は、2010年以降3か年中期建造計画の中で86隻の新造整備するとか。佐世保重工は生産合理化で年間10隻が14隻になるとか。何か近未来に、海運業界も明るい兆しが観えます。バラストタンクの注水弁の閉め忘れも世界経済の回復で息を吹き返しました。

日本の政局は今ひとつ不安定 − 仕分け人、妻に比べりゃ、まだ甘い。