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コラム
2006 Vol. 3 PDF 版


海運市況は、経済学的には需要・供給のバランスが反映されるものです。景気が良ければ海上輸送量も増え船腹供給不足感が出て、海運造船にとってはまことに喜ばしい環境となります。それにしても海運好況が長期継続しており、過去例が無いだけに不気味さも感じます。中国を中心に世界的に景気指標は良さそうですが、一体これに水をさすのは何なんでしょうか? 昨今実需以外に投機的要素が加わり予測が難しくなっております。

中国の経済成長が何かの理由で下がれば海運に悪影響が出るでしょう。日本の戦後からバブルが弾けるまでの永年常に右肩上がりの経済成長をしても、海運は決してそれを反映してきたとは限りません。中国のような北はツンドラ、南に象が生息、西はアラビア人が如し大国を、よくまー北京が中央操業 (中華思想) しているなー、と感心します。何度も云うようですがオリンピック、万博まで8 - 10%の経済成長率で続けて欲しいものです。それまでに水をさすとしたら、それは何なんでしょうか? 電力不足でしょうか? 沿岸地区と内陸地区とのいろんな格差が大型暴動と化すのでしょうか? 4月に上海でリニアモーターカーに乗り時速 420km を経験しましたが、どうもおバアちゃんが赤いハイヒールを履いている違和感がありました。南京は工業地帯で空気汚染しております。以前日本で光化学現象により学生が倒れる事件が頻発しましたが、「行け行けドンドン」ではどこかで躓くことは日本も経験しているところです。

何れにしてもこの様な事態は神のお恵みと思い、体力の温存と増強に心がけ、来るべき別の事態に備えるべきでしょう。


「原油高」には困ったものです。バレル US$60 超えるなんて景気に冷水。読売新聞2006.4.13朝刊には、原油価格の高騰の直接の引き金は、イランの核開発問題など産油国を巡る「地政学リスク」といい、価格が高騰するとの思惑が投資資金の市場への流入を速め相場を押し上げている ... と。1960年代オイルショック前は1バレル1ドルを記憶します。ここでも「投資資金」が罷り通るのは困ったものです。メジャーの戦略と思惑を感じますが、中東に偏らずもっと油田開発して欲しいものです。中国だってアメリカだって埋蔵量が豊富と聞いております。雨が降れば桶屋が儲かる ... ではありませんが原油高が長期化すると景気に悪影響がでて海運造船に悪影響が及びます。円高も然り。

28/33,000DWT

  2002年 2005年 2006年
新造船 (億円) 16 28 25
中古船価 (10歳 US$/Mil) 8 22 17
BDI 1,700 2,400 2,400
TC 6か月 6,500 16,000 11,000

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