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コラム
2005 Vol. 1 PDF 版


大きな期待感と小さな不安感をもって2005年に突入しました。昨年と同様或いはより良い市況環境である事を祈念します。

21世紀初期年度の世界貿易量、牽いては海運市況はまさに黄金時代と称して良いと思います。引き金を引いたのは「中国」であることは、洋の東西を問わず万人の認めるところです。又、世界のオピニオンリーダーは2005年度については2004年の平均値を維持すると太鼓判をおしております。彼らは心の中で3年同様継続すると思っておりますが、明言しないのは昔為替の長期予測をした金融熟達者の殆どが赤恥を掻いた経緯を知っているからでしょう。確かに海運はダイナミック (動的) で、事前に確度の高い長期予測は不可能で、近い将来たりとも世界の地政変化がどうなるか読み難いものです。

今後市況を落とす起因になる事象は何でしょう? と言う問いに矢張り「中国」と言う人もおれば「米国」と言う人もおります。ある銀行マンでこの道に動物的カンの鋭い方が「環境問題」と言われましたがいま少し解説をお願いしたいものです。


日本市場より中古船の売り物は極端に少なくなりました。海外では15歳超の中古船が高値で売り買いされています。売る人は恐らく大儲け、買った人は足元市況で短期で回収出来るのでしょう。スクラップも異常な値上がりをしましたが、もっとトコトン使おうということで一面困ったものです。

新造船も値上がりしました。鋼材の値上がりはぼちぼち止まるのでしょう。しかしエンジン納期がクランクシャフト納期によりけりで、近海船用の2サイクルエンジンで24か月納期だそうです。韓国の船主が中国に来年納期の船台を予約して日本にエンジンを買いたいと ... 日本の船主がエンジンメーカーと直接納期交渉している ...

用船料も上がりました。近海市況は何故か長期間安値安定していたが、かなり改善されました。遠洋も海外オペレーター主導でとんでもなく上昇しました。既存船は今年も用船更改がありましょうが、間違いなく改善されるでしょう。日本の独立船主も海外オペレーターと長期傭船するようになり、銀行も門戸解放しました。日本のオペーレーターも船主とは独特の伝統的付き合いは難しくなりました。地方の船主は殆ど2世代目で体質的に斬新且つより国際的になってきております。

かかる環境、市況でも、仲介業者は常に CONSTRUCTIVE & CREATIVE でなければならないのでしょう。

それにしても近所のパン屋さんでは未だに1つ100円でパンを売っておりますが、小麦の値段も上がり、運賃も高騰しているのに、何故やっていけるのでしょうか? 恐らく100円を維持するのに工場の合理化、人のリストラやっとるのではないか? 此れが日本では何となく未だに景況感が悪いと識者が言うとるのでしょうか?

今の市況が長期続く事を祈願しますが、この時こそ足元強固にして何時来るか知れぬ嵐がどんなモノで、何処からくるのか辺りを見回し、何が来ても対応出来るようにしておくことが賢明なんでしょう。

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