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コラム
2004 Vol. 4 PDF 版


過日読売新聞が "世界の工場" - 中国の電力事情に就いて報告しています。昨年末よりの海運市況は過去に例を観ない激変があり、中国経済の動向によるものとレポートしてきました。この経済成長に電力供給がフォロー出来ていない、又、送電線の未整備も昨今問題として指摘されております。しかし中央・地方政府の行政力で計画停電、使用制限が発令され、又、融資規制で投資抑制され、それなりに即効性がありましたが、鉄鋼業では1 - 5月の投資の伸びが前年度比66.6%、セメント55.3%、アルミ38%増と大口電力消費先は以前高率を保っており、経済は一時減速しても停止するものではありません。原材料を沢山買って金が不足したに違いありません。今年4月は海運市況の高騰が始まり、6月に暴落したのも、時差はあるものの何やら電力不足と因果関係あるが如し。

中国には32の省・直轄市・自治区がありますが、今年は24の地域で計画停電や電力使用制限に乗り出しており、それでも6 - 9月には 3,000万KW 不足が予測されています。かかる行政に即効性あれば、海運市況はリバウンドするかもしれません。昨今、市況急降下も底打ち感がありますが、この夏は海運造船関係者は充分夏休みするとも想いますので、矢張りリバウンドを体験するのは秋か ... ? あるいはそれ以前か ... ?


昨年末時点で火力発電が発電容量全体の64%、水が24%、原発1.6%今年末まで発電能力を昨年比10%増の 4億2,300万KW に拡大する計画になっているが殆んどは秋以降の稼動となります。

中国発電の60%強は、石炭専焼で石炭価格は統制価格で発電向け以外は自由価格になっている為、石炭産業としては高く売れる方に売るでしょう。又、鉄道輸送事情もひっ迫し、石炭が発電所まで届かないというもっともらしい言訳もある様子。

とに角中国の経済成長は新幹線 "のぞみ" の如しで、停止、凋落することはありません。"こだま" 程度のスピードで秋に "ひかり" 程度に戻ることを期待してやみません。

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