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コラム
2004 Vol. 1 PDF 版


今年初めての market report になります。弊社ブローカー部門では日商岩井船舶(株)より平野光男が加わり、ブローカー部門をより充実致します故、倍旧の御支援お願い申し上げます。

昨年末より多くの人が予感した様に、正月明けの当初より市況は更に堅調、中国の旧正月は明けましたが暫くは堅調トレンドは崩れることはないものと確信します。早納期の若い中古船が新造船価格に超接近している事実。ケープスポットが$100,000/日を超える事実。スクラップが $330/LDT を越える事実 (88,725DWT (15,244LDT) がバングラディシュの解体業者が $335/LDT で買った由) 、有史来の出来事です。船会社の株価が急上昇している事実。しかし神さま、仏さまは、かかる市況が長期続くことを許す寛容さは過去に実績としてありません。



2004年はゴルフスコアー改善の年です。
グリップはスクエア、右腰付け根から左へ体重移動
スタンス幅は肩幅、フォロースルーはしっかり ...
しかし空振りはイケマセン

間違いなく中国が主役の舞台でありますが2008年のオリンピックに向って国威を上昇させ続けることが可能でしょうか? あの急速な経済進歩を支えるに充分なインフラ (経済基盤) が並行的に整備されているでしょうか? 例えば電気供給事情ですが、上海は今や不夜城の如しで既にかつての自転車でなく乗用車であふれかえり、不労者も観ませんが、昨今 Brown-out (停電を Black-out と云いますが、電力不足状態を Brown-out と云うそうです) で社会問題となっている。中国の鉄鋼所も造船所も他の製造業も、生産能力と低コスト労働力があっても電気不足ではフル稼働出来ません。

中国が鉄鉱石を買う為、世界中の鉄鉱石産地を走り廻っております。中国の鉄鋼生産能力は巨大で更に拡張もしますが、世界中の鉄鉱石を買い占めることは出来ません。いずれこの買いは止まります。この時ケープの運賃は急速に冷えこむでしょう。案件近未来かもしれませんが、何時止まるかはもっと専門家の分析、検証に任せます。

オリンピック・万博を目指して ... はおそらく "紙に描いたもち" (これを英語で paper moon と云います) かもしれません。オリンピックが終わったあとのさびしさは開催各国が経験していることで、かかることで数年前から舞い上がることは無かろうと想います。

造船鋼材の不足と値上がり、ステンレス鋼の急騰は、これら資材の価格決定が足もとで、一方デフレ基調が故か2006年度まで先物受注し、船価確定をしている造船所の採算が狂ってくることはないでしょうか? この狂いを吸収できる造船所は大丈夫でしょうが、出来ない造船所が出てくることも懸念します。海運と造船の波は良かれ悪しかれ1年位のタイムラグがあるのが歴史ですが、同時並行的に絶好調であることは又、神さま、仏さまは許しません。外注先の鋳物、鍛造屋さんが当該造船所のスクラップ端材を買いに来る現象は異常です。

不測のテロ、SARS 、インフルエンザ等も物流に影響しましょう。

何もことを悪く予測する積りはありませんが、市況が悪くても良くても、我々はワキを締めてタンタン、シュクシュクと生きることが第一義的に重要かと存じます。

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