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コラム
2000 Vol. 10 PDF 版


秋は来ぬ 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる (古今集 藤原某氏)

昨今の風の音にやや好感の持てる海運市況ではありますが、少なくともわれわれの世界は寒い冬までの短期間のみでないこと期待して止みません。バンカー高値は困ったものですが、これは全ての人々、業界が均等に負担するもので、海運界で何も船主とオペレーターにシワ寄せすることではなく、荷主も応分の負担を余儀なくされるべきものです。荷主、オペレーター間では強烈な力学が存在するものの、ややシワ寄せ緩和されているのは良い傾向ですが、オペレーターが船主にシワ寄せするのは良くありません。


好感度が高くなっている海運市況の中で、「近海船」が伸び悩んでいます。アジア域内の経済が通貨パニックの後回復に時間が掛かっています。兄貴分の日本と韓国の強い指導力が要るのでしょうが、兄貴分がもっとシッカリしなくてはならないでしょう。又、近海オペレーターも伝統的 TRADE PATTERN にとらわれず、斬新な発想で鋭意努力していただきたいものです。

秋風もふところを吹きぬけるわびしい風ではなく、過ごしやすい心地よい秋風であってほしいものです。馬肥ゆる秋、食欲の秋は来るべき冬に備えるための言葉です。

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