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コラム
2000 Vol. 4 PDF 版


造船産業のこと

欧米が造船大国であったのは昔の話となりました。日本は四面海に囲まれている為か? 能力面、技術面より非常な速さで発展し、戦後より今に至るまで永年造船大国としての地歩を固めた経緯があります。戦後長年、景気の良し悪しに拘らず、世界の建造量の 50% 以上シェアー確保してきました。

一時は造船は日本第3位の輸出花形産業でもありましたが、昨今は韓国に抜かれた感有り、いずれは中国がシェアー拡大することになりましょう。

先進国ではぐくまれた労働集約型産業は宿命的に低賃金国へ移行するので、いずれ日本も今の欧米の如しになりましょう。カムバックはありません。従って自然淘汰されます。



禅譲

大手造船所は艦艇及び LNG のような高付加価値、高度技術船を除く一般商船の建造は中止したら如何でしょう。以前造船所が東から西へと移設され、又あらゆる合理化・自動化を実践してきましたが、もう限界です。大手同士の業務提携、合併など一時凌ぎであって抜本的解決になりません。

この産業は日本の中小手専業造船所あるいは韓国、中国にバトンタッチしては如何なるものか ... 。

先日 "Sea Japan" 講演で日本の造船産業は韓国・中国にまだ "太刀打ち" できると説明があり、今治造船の西条工場を例示しておられました。今治造船ならその通りです。しかし、大手兼業造船所は "太刀打ち" できません。

日本の中小造船所が破滅してゆくより、大手造船所の商船建造中止する方がより健康的であり、海運市況にも好影響を与えるように思えるのです。

一方日本の中小造船はより叡智を絞り、技術、営業力を高めて、日本のみならず世界を相手に展開するべきです。

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