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コラム
2015 Vol. 5 PDF 版



QUANTITY に対してQUALITY 又、HARDWARE に対してSOFTWAREと云う言葉があります。中国は、何れも前者が先行して後者が立ち遅れているように思われます。揚子江での海難事故、天津での爆発事故等がその表れかと感じます。一例を挙げれば中国において雨後のタケノコのように造船所が建設されましたが、QUALITYは未だ成熟したとは云えません。しかし、何れ成熟するのでしょう。 戦後の日本も振り返ればそうであったようにも思われますが、艱難辛苦の時代を経て、現在は結構バランスがとれてきたように思われます。中国は世界一の人口を有し、経済大国になりましたが、今後ともQUANTITY/HARDWAREを先行させながら進むより他ないでしょう。
QUALITY/SOFTWAREは時を経て成就するものです。大量の輸入/輸出を更に伸ばして海運市況を活性化して貰いたいものです。それにしても昨今、中国景気の先行き不透明感が強い状況は困ったものです。中国の人口が億単位で把握できていないので、基礎統計にどれほど信憑性があるか疑問ですが、経済成長の数値、製造業景況の数値(50割れ)等、どうも芳しくないようです。株式市場での乱高下は投機筋が一喜一憂しているように観えます。最近のG20(20カ国の財務省、中央銀行総裁会議)では中国代表が景気減速・後退感を認めましたが、直近の対応策としての金融、株式市場等への政府介入は、象に針を刺す感があります。具体的な対応策については今後の成り行きに注目しましょう。他方、秋葉原ドンキホーテで現場を見ましたが、中国人の「爆買い」だけは止まりません。

一党独裁の様式でなければ中国の様な大国は運営出来ないのかもしれません。「抗日戦争勝利70周年」の軍事パレードには、ひょっとすると江沢民元主席は出て来ないのでは…と思っていたら、習近平の横に立って笑顔で歓談しているではないですか。胡錦濤前主席も出席していました。習近平の反腐敗運動展開において江氏に近い有力者が相次いで摘発されたことから、内部権力闘争が激化しひょっとすると江氏は出て来られないかとも勘ぐっておりました。太子党の華麗なるファミリーは「聖域」なのでしょうか?今回の大がかりな軍事パレードは中国共産党が一枚岩であることを世界に発信する為の演出のようにも思われます。中国の政治は経済に如実に反映されるだけに、我々海運業にとっても中国の経済、政治を注視し海運にどう影響するか見極めたいものです。

中国の今後の主な政治、経済日程
9月後半習近平訪米
10月19日7-9月のGDPを発表
10月中5中全会(次の5カ年計画を策定)
11月15-16日G20首脳会議(トルコ)
11月18-19日APEC首脳会議(フィリピン)
12月中央経済工作会議

野田 著


2015年8月の成約

船名 タイプ Sub サイズ 建造年 建造国 US$
(Mil)
DS CommanderBulk45,518 Dwt1994Japan3.40
Force RangerBulk45,950 Dwt1996Taiwan4.00
AetosBulk48,893 Dwt2001Japan5.50
Ocean ChieBulk52,370 Dwt2003Japan7.50
Port MountonBulk53,299 Dwt2005China6.70
ShirakamiBulk52,224 Dwt2008Japan10.85
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
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平野 光男 / 野田 禎造

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