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コラム
2015 Vol. 1 PDF 版



2015年が明けました。 我々日本人は暫し休んで心新たな気持ちで新年を迎えるものですが、海運造船市況は、単に、平日における昨日から今日そして明日という感じで、株式市況、為替も含めて大きな変化はありません。海運市況は低迷のままですが、船主としては円安と継続的低金利のお蔭で銀行に迷惑をかけることもなく平穏無事、オペレーターはバンカー安も加わり業績改善し、とりわけ大手は些か余裕をもって、LNG、海洋事業に投資を加速することでしょう。
造船所は合併・統合しながらも、又、韓国・中国と競合しながらも充分受注残を確保したのではないでしょうか。
2015年は順風を受けながら、過去に培った経験とインフラを元手にして、更に体力を増強する年になってほしいものです。地政学(GEOPOLITICAL)から観れば、再均衡(REBALANCE)への移行のチャンスと言うことになるでしょう。昔、世界は二局による「冷戦の時代」が長く続きました。この時代より、地政学的にはより多極化しながら、しかし各国、各地域が友好的に努力する傾向を観ます。これが、大きな意味で「再均衡」なのです。「イスラム国」と北朝鮮だけは例外でしょうか。同様に、海運造船業界においては、船主、オペレーター、造船所、金融機関業間の力学が明白に違っていましたが、各員が均等の力学で、「面」で切磋琢磨して発展していくことになるのです。要するに、皆が仲良くすると、間違いなく物流が増え、海上輸送量が増え、皆が潤うこと間違いありません。2015年はそう言う兆しを観たいと期待するものです。

アメリカは調子が良さそうです。EUは問題を抱えているようです。年末年始にかけてスペイン・ポルトガルを旅行しましたが、確かに問題を抱えていることは肌で感じます。しかし、手を取り合って、何とか問題を解決するでしょう。ロシアは原油価格低落で問題を抱えていますが、懐には多額の埋蔵金があるはずで、プーチンさんのカリスマ性から観て時間が解決するでしょう。中国の経済成長率は従来政府目標を上回って着地してきたが、14年は目標値を下回った(7.5%)のが気になります。今年はどうなるのでしょうか?中国経済は海運市況に大いに影響するので今後とも要注目です。飛行機でなく船でしか運べない資源の輸出国の動向も注目しましょう。

因みに、45年程前は原油価格が1バレル$2だったことを覚えています。
それが$100になり、短期間に$50を切るようなりました。この基礎的なエネルギ―が$100を超えた時、それでも世界経済が発展を続けた人間の叡智には感心したものです。価格は一度下がると簡単には元に戻りません。先進国も新興国も経済発展の為には更なる叡智が要るでしょう。

安倍さんは年初より海外出張で、日本の存在感を誇示しておられます。外交的には結構なことです。戦略的に動いておられるようで、それなりに各国、地域で歓迎されています。足元の中国、韓国にも出張して下さい。円安、株価高は過ぎると弊害が出るようですが、それによるメリットを享受する産業は、そのメリットを株主なり、下請けなり、従業人なりに還元するような配慮が必要です。今、我々の実生活で実感するのは車のガソリン代が日々安くなっている程度でしょうか?

以上、年の初めの雑感ながら、ご家族をお大事に今年もお過ごし下さい。

「ドライブで後部座席に座る妻」第一生命サラリーマン川柳より

野田 著


2015年1月の成約

船名 タイプ Sub サイズ 建造年 建造国 US$
(Mil)
Glory AceBulk46,600 Dwt1999Japan8.00
Truva 1Bulk46,700 Dwt2001Japan12.00
BikanBulk52,064 Dwt2001Japan9.60
Stellar RhapsodyBulk49,900 Dwt2002Japan8.00
VerdiBulk58,800 Dwt2007Japan15.00
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
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平野 光男 / 野田 禎造

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