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コラム
2014 Vol. 3 PDF 版


3月30日朝、沖ノ鳥島で設置作業中の桟橋が転覆。これは EEZ 絡みもあり国土交通省、関東地方整備局の事業で名目は資源探査船用桟橋を設置しようと云うもので、五洋建設、新日鉄住金エンジニアリング、東和建設工業の JV が作業に従事している。其々の下請けも含めて技術的にも、経験的にも超一流で大きな過失があったとは思いたくない。2隻のタグで半没バージから桟橋を引き出した後、現場に曳航中に転覆 (ひっくり返った?) したらしいが、当日晴れ、波高 0.8m 、風毎秒 5m は天候的には問題ないだろう。ただ、桟橋には長いレッグ (足) が4本突っ立っており (おそらく油圧ジャッキで着床させる) 重心がかなり上にあり、2隻のタグがうまくシンクロナイズしないと短距離とはいえ不安定な曳航になるでしょう。許されるなら、3隻で作業するのが良かったかもしれません。兎に角日本から 1700km も離れた場所での作業、事故の原因はいずれ究明されるでしょうが、転覆した桟橋は無事復帰できるのでしょうか? 海運市況にはあまり影響はありませんが、今後の成り行きは注目したいものです。
昔、大型化は運賃単価を下げると言うことで、100万 DWT タンカー建造構想が現実味を帯びてくるに従い、日本の造船所がこれに呼応して100万トンドックを先行投資をした経緯があります。しかし実際は、サイズ的には50万 DWT までは建造されましたが (これとて実需があったわけでもありません) 、海上汚染を背景として、これ以上でかいタンカーは建造されていません。今後とも無いでしょう。ところで最近、コンテナー船、自動車船、鉄鉱石船が大型化しているようですが、どこまで大型化・大容量化するのか? 何事にも限度があるように思えます。想定外のリスクもあると思います。海運市況にはあまり関係ありませんが、今後の成り行きは興味あります。
最近、日本の船主が海外の資源メジャー、穀物メジャーと長期用船契約を締結したと報じられています。今後の成り行きに興味があります。

野田 禎造 著


2014年3月の成約

船名 タイプ Sub サイズ 建造年 建造国 US$
(Mil)
Asian ExcelsiorBulk45,190 Dwt1996China11.000
Stella FomalhautBulk46,685 Dwt1999Japan11.775
FSL DurbanBulk46,685 Dwt1999Japan11.775
Crystal OceanBulk48,900 Dwt1999Japan14.000
Bulk AvenirBulk50,399 Dwt2002Japan17.200
EvianBulk51,200 Dwt2002China12.500
Anna OldendorffBulk52,466 Dwt2002Japan18.250
Croun PrincessBulk52,347 Dwt2005Japan22.000
Top HarmonyBulk55,695 Dwt2005Japan23.000
Top FreedomBulk55,695 Dwt2005Japan23.000
Top IslandBulk55,710 Dwt2006Japan23.000
White HaloBulk55,800 Dwt2012Japan30.000
Orient IrisBulk54,958 Dwt2014Japan31.000
上記売買船価は、マーケットにて報告されている数字であり、実際の売買船価とは異なる場合があります。
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野田 禎造

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