5月は金環日食とスカイツリーで盛り上がりました。三光汽船再建はどうなるのでしょう? 海運の近未来に良い兆しは未だ見えません。世界は地政学的に余りにも流動的で、今年中には落ち着いて貰いたいものです。そして、来年に期待します。

現状の世界経済では、海上輸送量の増大は期待できません。大国の政治体制も早く落ち着いて、新たな、且つ、前向きな姿勢を世界に発信して欲しい。なかんずく、中国は世界の工場で輸入の量、輸出の量とも海運に大きな影響力があります。内政にやや問題を観ますが、新国家主席のもとでも安定した経済成長を継続して貰いたいものです。造船能力は現状より増やさないようにお願いします。アメリカは大統領選挙結果待ちです。ファンダメンタルは熟成しているので、余り問題あるとは思いませんが、物でなくお金だけが世界を駆け巡るような投機商品を余り発信しないよう制御して欲しいものです。EU は購買力が落ちているようですが、ドイツ、フランスが中心になって PIGS を助けて欲しいものです。もっとも、これら地中海沿岸の国民が真面目に納税すれば、何ら財政的に問題はないと想います。イタリアでは1970年台に国家予算と脱税金額が等しいなどと噂されていました。これは良かれ悪しかれ「文化」で、IMF 査察員が派遣されても是正は難しいでしょう。欧州の銀行は船舶融資に抵抗感があるようです。売船引き合いが多く、買船引き合いが少ない現状です。

世界の海運市場にとって、日本は重要な位置づけになっています。国内政治はさておき、経済面では、他諸外国との比較において基盤がしっかりしています。だから円が買われるのでしょうが、昨今の円高が輸出産業を痛めつけています。造船も例外ではありません。合理化するとしても、エコ船型式開発等と云っても韓国のウォン安、中国の低賃金には勝てません。海運、金融も苦渋の時代にあります。何やら80円前後で定着している感があります。日本政府が断固として介入するとか発言がありますが投機筋の力には勝てないでしょう。360円の時代から、輸出産業は血の出るような企業努力をしてきたものと感心します。過去のかかる努力があれば、今後80円でも死なないでしょうが、死ぬ者も出てくるかもしれません。雲の上の神様も、壊滅させることはしないでしょう。ただ、リーマンショック以前の狂乱的な海運市況のツケを返せとおっしゃっておられるのでしょうか。それにしても、日本の政治はねじれて、混迷し過ぎです。我々は、世界の動きを静観しながら、2012年を過ごすべきでしょう。世界の動きはどれを見ても海上荷動きに関係してきます。起こったこと、やってしまった過去のことを批判すべきではありません。耐えて研鑚を重ね、2013年に期待しましょう。あと半年。