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コラム
2005 Vol. 4 PDF 版


暑中お見舞い申し上げます。

用船市況は低迷気味ですが、昨年の様にリバウンドするのでしょうか? 数か月前に識者は、中国の在庫調整もこれ有り昨年のように6/6月にリバウンドすると予測しましたが、今は9月頃 (即ち夏休み明け) 、昨年ほどでは無いがリバウンドすると、やや消極的発言に変わっています。海運に影響する世界的基調は底上げ間違い無いとは思われますが、少なくとも9月には今年末まであるいは2006年度を予測できる素材が出揃っているのではないかと想われます。BRICS とは中国も含みますが、矢張り中国の政治・経済だけを観ておれば、又タンカーでは VLCC 、ドライでは CAPER を観ておけばよいのではないでしょうか。

昨今中古船売買市況が高止まりのまま推移しており、一方用船市況は乱高下しているものの最近低迷しており、この時差ギャップが続いているのが異常です。新造船先物受注船価も材料値上便乗で高くなりました。中古船は足元用船市況に余り時差なく呼応するものです。背景に世界的に船腹不足感があるとは思えません。今後とも韓国・中国・インド・ベトナムが造船能力を増強します。最近欧米では IPO (Initial Public Offering) が以前よりまして海運業界で流行っており、2/3億ドルの巨額が投資市場より資金調達ができ、或る期間内に中古船買い漁るから用船市況動向を無視して売買市況が高止まりしているのではないかと想えます。小型LPG船を2億ドルの資金で買い漁っているステルスというギリシャ船主がおります。確かに 3500/5000 M3 LPG船を買い漁っておりますが、用船市況は下落しております。予定の資金使い終わればこのジャンルの市況は急降下すると分析されております。一般的に過去1.5年市況が余りにも良かった故、投資家に対して説得力があったと想われますが、何れ誰か出口 (EXIT) で失敗します。船舶は確かに金融商品ですが、余り実需を反映しない金融商品化は避けて貰いたいものです。


買取オプション付きの長期用船契約は、すべからずオプションが行使され、昨今一巡したように観測しております。キャピタルゲインを2009年の新造船に投入する話もありますが、用船者次第ではやや危険を伴うかもしれません。目立たない程度に税金を払うのも地元還元で宜しいのではなかろうかと存じます。中古船に投資するのは上記次第でなかなか採算に合わないものです。融資銀行も悩ましいことでしょう。

この夏は酷暑となりましょう。暴飲・暴食をさけて健康に留意して体力温存・体調整備に努められては如何でしょうか?

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